高校1年のときにビートルズのコピーバンドを始めたのが私の音楽(バンド)ライフも還暦をとっくに過ぎた現在までほぼ50年(半世紀!)になりました。
ただそれだけ長くギター弾いてると色々と体に影響や問題も出てきます。
今回は、中でも最も辛かった経験「へバーデン結節」の闘病記を紹介します。
■指の第一関節に違和感
2017年夏ころでした。
ギターを弾く時にそれまで感じたことのなかった左手の人差し指と小指、右手の人差し指の第一関節に軽い痛みや熱っぽさを感じました。
同時に第一関節に瘤(こぶ)のようなものができてそこを触ると激痛が走り少し指が内側に曲がってきているようでした。※因みに私は右利きなので左手で押弦、右手でピック・指引きになります。
最初の頃はさほど酷くはなかったのですが段々と痛みが強くなり2~3か月後には弦を抑えることやセーハ(※)ができない状態まで悪化しました。
※1本の指で複数の弦を同時に押さえることを“セーハ”、または“バレー”と呼びます。 人差指で全弦(1~6弦)をセーハするF(コード)は初心者がギターをマスターするうえでの最初の大きな壁、難関として有名です
「この当時、自分は前立腺がんの治療中でした。そしてがん治療の不安な日々を和らげてくれたのが趣味の音楽(ギター演奏)だっただけに、この時はこのままギターが弾けなくなるのではと本当に落ち込みました。」
■病名は「へバーデン結節」
その後も一向に症状が改善せず藁をもすがる思いで整形外科で診察を受けました。
指のレントゲン写真で関節の軟骨がすり減っていることが判明、-へバーデン結節-との診断でした。
(参照「へバーデン結節」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp))
そこで医師に自分がギターを趣味にしており現在触ることすらできない苦痛なので、何とか改善したいと訴えました。
しかし医師からは・・・
★医師の診断
・原因は老化と長年ギターで指を酷使したこと
・現在有効な治療法はない
・現状は、指を酷使せず安静にするしかない
・ギターはやめたほうが良い
というなんとも愛想の無い、身もふたもない診断で意気消沈。
その後、別の整形外科にも行きましたがそこでも診断と対応はほぼ同じでした。
専門の医者が全く頼りにならない状況を嘆いていても仕方がない。
■「へバーデン結節」の治療法を模索する日々
それからはSNSで情報収集したり同じ症状に悩む友人にアドバイスを求めたり整体クリニックやリンパマッサージに通ったりとできるだけのことはやりました。
それでもなかなか症状は改善しませんでした。特に冬場は寒さで指先の血流が滞るのか患部が疼いて痛みが酷くなりました。当時手袋とカイロが必需品でした!。
そして、ここから自分独自の治療法の模索が始まりました。
その後の数年間の治療を模索する中で自分なりに得たポイントは次の通り。
①良くなることを信じて諦めない
②痛みをこらえて無理に指を曲げたりしない
③血流をスムーズにする
④手を温める
⑤サプリも活用する
⑥同じ悩みを持つ仲間と情報交換する
①良くなることを信じて諦めない
当時、私は前立腺癌の治療中で精神的に落ち込むこともしょっちゅう!
そんな時に音楽(ギター)はその苦しみから一時的でも自分を解放してくれる唯一の楽しみでもありました。
それが指の痛みで駄目になるなど、当時の自分には到底容認できませんでした。
絶対に治してやる!・・・という強い思いがありました。
今思えば、この気持ちがあったからこそ色々な治療法にトライできたのだと思います。
②痛みをこらえて無理に指を曲げたりしない
当時は、必ず左手小指と人差し指の患部にテーピングしながら演奏していました。
実際これだけでかなり痛みは和らぐ上に費用もあまりかからずおすすめです。
ただし、問題もあってテーピングした指の可動域は明らかに狭まります。
要するに指が動かしづらくて、ギターが弾きづらいわけです。
「痛みの緩和を取るか、指の動かしやすさを取るか・・・悩ましい問題でした、痛みをこらえて弾く辛さを思えば選択の余地はありませんでした」
「ギター演奏に際しては、テーピングはひとまず安価で簡単ですが一定の効果は望めます。即効性という点では正直これが一番有効でした。ただテープ幅が結構広いので指関節に巻くには広すぎて指が曲げ辛いという問題がありました。そこで私は巻くときに、ハサミでテープ幅(長さではない!)を半分に切って使っていました。こうすれば痛みを抑えつつ、指の可動域がかなり確保できます!」
③血流をスムーズにする
■マッサージを欠かさない
血流の流れが体調管理に良いことは良く知られていますね。
これは指先でも同じで、できるだけ指のマッサージ(付け根から指先へ)をやりました。
3年ほど前に手のひらと指のマッサージャーを購入しました。
これならTVを観ながらでもできるしタイマー(15分)が付いているので寝落ちしても大丈夫です。
複数メーカーから同様の商品が出ていますが、ネットの評判と店頭でよく見かけることもありこれに決めました。
温熱機能もついているので、指をほぐしながら温めることもできて一石二鳥で重宝しています。今もほぼ毎日使っています。
https://www.youtube.com/watch?v=NoIXUofwZZs
④手を温める
■朝風呂に入る
朝起きると体の節々が硬くなっています。特に起き抜けは膝の関節などこわばって階段を降りるのが怖いくらいです。当然、指の関節も同様です。
私はかなり以前から朝風呂(前日の残り湯を追炊き)で体をほぐすことをルーティーンにしています。
比較的ぬる目のお湯(39度くらい)で15~20分くらい浸かりながら、体をリラックスさせます。
特に冬場の寒い朝は体を温めて気分と代謝を上げる効果は絶大です。
指先を湯船につけてマッサージするだけで気持ちよくほぐれてくるのが分かります。
「朝からお風呂はちょっと。。。という方には、洗面台にお湯を溜めてしばらく手を付けるだけでも効果はあると思います。」
⑤サプリも活用する
ある時、ネットで色々調べる中でエクオール(※)という物質がへバーデン結節改善に有効との記事を見つけました。(以下参照)
ヘバーデン結節に対するエクオールの有用性 |Web医事新報|日本医事新報社 (jmedj.co.jp)
私は大塚製薬の「エクエル」というサプリを定期購入し、約3年間服用しました。
劇的な効果という感じはありませんが、確実に痛みが和らいできているな・・・という実感はありました。
現在は症状が落ち着いていることもあり、服用は一旦中断しています。
「個人的には、サプリであり薬のような副作用の心配も少ないメリットもあって、試してみる価値はあると思います」
※参考までに、以下のYouTubeでは整形外科医の方が、ヘバーデン結節に対するエクエル(エクオール)の実効性(可能性)について私見を語っています。
https://www.youtube.com/watch?v=-YVoH2bhcQ0
※定期購入すると「わたし日和」という冊子が同封されてました。気楽に読めてためになりました。
■痛み止め薬
現在はかかりつけ医に安全を確認した上で、ロキソニンを適時服用(一日最大2錠)しています。
「特にライブのある日などは本番で痛みが出ないよう、出かける前に2錠服用しています。」
⑥同じ悩みを持つ仲間と情報交換する
1人で悩んでいるとついつい悲観的になってしまいます。
「もうギター弾けなくなるのかな」とか「バンド活動もそろそろ潮時かな」とか・・・
そんな時は同じ悩みを持つ仲間と情報交換するのが良いと思います。
以前フェイスブックに思い切って自分がへバーデン結節でギターが弾けずに苦しんでいることを書き込みました。
昨年の9月ごろから手の指関節の痛み(左手の小指と人差し指&右手の人差し指の第一関節)がひどくなってきて、整形外科にいったところ、「へバーデン結節(https://www.joa.or.jp/.../sick/condition/heberden_nodes.html」という変形関節症だそうで老化とギターが原因らしく、治療法はない!ギターをやめて極力手を酷使しないこと・・・とのなんとも愛想ない、身もふたもない診断をくだされました(;^_^A。最近では、痛みがひどくなってきて特に左手小指はギター弾くと激痛が走るので、ギターに触れない、ギター弾くのが辛い状況で困ったことになっています。そこで、同じ症状を経験されて症状が改善された方がいらっしゃったら、是非有益な対処法や治療法をご教示願えればありがたいですm(__)m。よろしくお願いします。

すると驚くことに、この二つの投稿に50件を超えるレスポンスがありました!。
ヘパーデン辛いですねぇ私も4年前位から発症しました。現代医学では治せないと医者に言われました。色々試しましたが効果ありませんでした。
どうも血流が関係しているようで毛細血管とリンパの流れを改善することで良くなるようです。血流を、良くする薬をたまに処方してもらってます。痛みもかなりましになりました。あとリンパマッサージを毎日腕、手首、指で行ってみてください。かなり効きます。最近は曲がりも少しましになりました。邪魔くさいですが日々のマッサージやってみてくださいねぇ。(男性:ギタリストの友人より)
私もへバーデンどんどん酷くなって、飛び上がるほど痛い時期とマシな時期が交互にやってきます。小指は曲がりすぎてもう使えないし。でも使える指があるんだから幸せだと思うようにしてマイペースでたまに弾いています。どうか諦めずに無理せず頑張って下さいね(女性:ベーシストの友人より)
私も両手小指はこれです。イザという時は鍵盤をバーンと弾きますが、それ以外ではかなり省略して弾くようにしています。貴殿も無茶なフレーズはできるだけ省いてお得意のヴォーカル、ガッツリいってくださいまし!(男性:ピアニストの友人より)
これはその中のほんの一部の抜粋ですが、思った以上に友人(音楽・バンド仲間)の中にもこの病気で苦しんでいる人が多いことに驚きつつ、それでもみんな病気に負けずに頑張っていることが分かって勇気をもらえました。
「悩んでいるのは自分だけじゃないことを知ること、そしてお互い情報交換しつつ励ましあって病気に立ち向かうことが大切だと痛感しました。」
■まとめ
以上が、私がやってきた(現在も続けている!)対処法です。
・①良くなることを信じて諦めない
・②痛みをこらえて無理に指を曲げたりしない
・③血流をスムーズにする
・④手を温める
・⑤サプリも活用する
・⑥同じ悩みを持つ仲間と情報交換する
とにかく大事なのは、諦めずに続けること。
ただし、ヘバーデン結節は進行性の症状であり、現代医学ではまだ完全に治すことはできません。
このことを理解した上で、この病気に向き合うことが大切です。
そしてこの病気は進行や回復度合いにはかなり個人差があるようです。
私の場合は音楽(バンド)を出来る限り続けたいという強い思いが症状改善のモチベーションになりました。
そして、ここからは私の独断と偏見?です。
一般的にへバーデン結節は40代以降の女性に多く発症すると言われています。
また発症に遺伝性は証明されていないことから考えて、
・2017年ごろに-へバーデン結節-になったこと
・2013年55歳の時に告知された前立腺がんのホルモン治療
の影響を疑っています。
前立腺がん治療は連続40回近いの放射線治療と3年近くのホルモン治療を行いました。
まず放射線でがんをピンポイントで消滅させ、ホルモン治療で前立腺がんの主因とされる男性ホルモンを減じて女性ホルモンを優位にする治療だったと記憶しています。
つまりへバーデンの兆候が現れ始めた2017年ごろは丁度ホルモン治療が一段落したころで、前立腺がんそのものは順調に回復していましたが、
治療過程でホルモンバランスの変化が発症のトリガーになったのでは・・・
と考えるに至ったわけです。
しかし全く根拠のない私見です。独り言で聞いてもらえればいいのですが(笑)
なにか理由でもつけないと-なんでギター好きの俺がこんな指の病気に煩わされないとアカンねん(#^ω^)-といった納得いかない部分があったのでしょうね。
因みに、複数の方のブログでも書かれてましたけどローリング・ストーンズのキース・リチャーズもどうやらへバーデン結節みたいですね!。第一関節の指の瘤(こぶ)の凄いこと(;^_^A。でもいまだに現役バリバリでギターかき鳴らしてます!!。勇気もらえますわ~💛
■へバーデン結節と生きていく!
では2023年現在の私はどうかというと、もちろん全快はしてませんがかなり痛みは薄らいでいます。
かかりつけ医に体調に悪影響が出ない程度で処方された痛み止め(ロキソニン)を服用していることもあってか、まだ指の第一関節を無理に曲げたりするとまだ痛みはありますが普通の生活において疼くとか痛むことはほぼありません。
ギターもほぼ問題なく弾けています。
どうやらこの病気の進行や回復度合いにはかなり個人差があるようです。
同じ症状で悩まれてる方も多いと思います。
あらためて周りを見てみると友人のピアニストやベーシストもこの症状に悩まされていました。
彼らも色々試行錯誤しながら、この病気と付き合っていました。
あきらめずに色々試していくしかないようです。
「私の場合はこれからもずっとギター弾いていたい、ドラムも叩きたい・・・という強い願望と血流改善を目的とした行動(リンパマッサージなど)が症状改善へのドライバーになったと確信しています!。」
※ちなみに最近(2022年秋)の状況は下記のブログで確認してください。
※ヘバーデン結節外来の医師による書籍(参考)
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。