音楽大好き親父の徒然ブログ

Eギターと出会って50年、音楽とバンド大好き親父の徒然ブログです。

再雇用を断る前に。68歳の私が後悔から学んだ「落差」を埋める3つの知恵

 

8年前、私は60歳で再雇用を断りました。後悔はしていません。

でも――準備不足でした。

 

…振り返ってみると、退職までにやっておくべきことは

たった一つだったのかもしれません。

 

それは――落差を、小さくしておくことでした。

 

・収入の落差

・人間関係の落差

・家庭での立ち位置の落差

 

この落差を甘く見ると、あとから、じわじわ効いてきます。

今日は、その話です。

 

はじめに:なぜ「落差」が問題なのか

再雇用を断つこと自体は、悪い選択ではありません。

私も悩んだ末自分で決めました。

 

会社組織に疲れていたし、時間を取り戻したかった。

自由を味わいたかった。だから、後悔はしていません。

 

でも―実際は想定外の事態に直面しました。

 

問題は、やめることではありません。

速やかにリタイヤへ移行するための「準備」が不足していました。

 

言い換えると―現役時代とリタイア後の“生活や意識の落差”を、

どう埋めるか。ここが重要でした。

 

人は変化そのものよりも、急激な変化により強く影響を受けます。

リタイア後には、想像以上に急な変化が待っています。

 

昨日まであったものが、ある日突然消える。給料。肩書き。

毎日の予定。会話。自分の席。…これらが一夜にしてなくなる。

 

だからこそ、現役時代にその落差を小さくしておく。

これが今回の本題です。

 

STEP.1収入の落差を甘く見ない

退職すれば、収入は確実に減ります。これは誰しも分かっています。

でも。分かっていることと、体験することは違います。

 

私が感じた最初の不安…通帳の残高が、毎月無情に減っていく。

この現実は、想像以上にじわじわと堪えます。

 

予定外の出費は必ず出ます。医療費。家の修繕。家電の故障。冠婚葬祭。

想定外は、特別ではありません。むしろ、想定外こそ普通です。

 

収入が減った状態でそれが起きると、不安が一段、深くなります。

だから私は言います。生活は、現役のうちに少しずつ小さくする。

 

今からできること。急に削らない。無駄を減らす。固定費を見直す。

モノを増やさない・・・などなど“減らす練習”をしておく。

 

収入があるうちにやるから、焦りがなく精神が安定する。

辞めてからやると、本当に「不安とセット」になります。

 

これは本当に、先にやるべきことです。

 

STEP.2人間関係の落差を軽くしておく

リタイア後、妻は週5日パートに出ています。なので昼間は、私ひとりです。

最初の頃、自分自身に少し驚きました。

 

夕方まで、誰とも話さない日がある。
正確に言えば、一言も声を出していない日がある.

 

会社員時代、朝から誰かと話していました。会議、電話、ちょっとした雑談。
それが、ある日からぴたりとなくなる。

 

私はもともと人付き合いが得意ではありません。
それでも、この静けさは思ったよりこたえました。

 

平日の昼間、スーパーで自分と同じようにカートを押している同年代の男性とすれ違う。

なぜかお互い、少し気恥ずかしいような空気になる。目を合わせないまま、静かにすれ違う。

 

何も悪いことはしていないのに、なぜか少しだけ落ち着かない。

ああ、みんな同じなんだろうか。そんなことを、ぼんやり思いました。

 

会社という場所がなくなると、人との接点は思っている以上に減ります。

だから思います。会社以外の居場所を、現役のうちに作っておく。

 

趣味でもいい。地域でもいい。行きつけの店でもいい。
大切なのは、自分の名前を呼ばれる場所があること。

 

週に一度でもいい。月に一回でも、ないよりはずっといい。

会社生活から一度家に入ると、わざわざ出かけるのが面倒になります。
人は楽なほうへ流れます。

 

出不精になってしまってから、居場所を探すのは、思った以上に大変です。

だからこそ、まだ会社に通っているうちに始めておく。

それだけで、人間関係の落差はずいぶん軽くなります。

 

STEP.3家庭での立ち位置の落差

これが、実は一番見落としがちです。

 

長く会社員をしていると、人生の重心は

知らないうちに会社に寄っています。

 

給料を運ぶ。社会的責任を負う。組織の一部として働く。

ちょっと偉そうですが・・・それが自分の役割でした。

 

でも、それが終わると―自分でも驚くほど、気弱になります。

家にいる時間が増える。けれど、何を話していいのか分からない。

 

家族の態度が変わるわけではありません。

でも、自分の中で立ち位置が揺らぐ。

 

給料という役割がなくなると、急に自分が軽く感じる瞬間がある。

これは、なかなか気持ちが落ち着きませんでした。

 

だから、現役のうちに少しずつ家に比重を戻す。

会話を増やす。家のことを知る。週末を“仮想リタイア”にしてみる。

 

仕事をしながら、退職後をシミュレーションする。

急に100%家に戻るのは、自分にも家族にも負担です。

 

少しずつ。この「少しずつ」が、落差を和らげます。

 

STEP.4 68歳の今、思うこと

もう一度言います。再雇用を断ったことは、

今も間違いだったとは思っていません。

 

時間はあります。自由もあります。

贅沢はできませんが、それでも穏やかな毎日です。

 

でもそれは、退職後の8年間の中での気づき、

軌道修正をしてきたからです。

 

もちろん退職前に、自分ではできるだけリタイア後の

生活をシミュレーションしたつもりでした。

 

でも、実際は想像通りには行きませんでした。

それが普通なのだと今は思いますが・・・

 

もし何も準備せずに勢いで辞めていたら――

正直、後悔だらけのリタイア人生になっていたかもしれません。

 

自分の拙い経験から言えること・・・それは

 

再雇用を断つのに必要なのは、勇気ではありません。

本当に必要なのは、リタイア後の生活の落差を小さくする知恵を持つこと。

 

派手な準備はいりません。少しずつ重心を移す。

収入。人間関係。家庭での立ち位置。

 

この3つを整えておけば、リタイアは

怖いものではなく、静かな再出発になります。

 

私は遠回りしました。だからこそ伝えたい。

会社員のうちに、静かに準備を始めてください。

 

本当に効くのは、早めの一歩です。