プロミュージシャンの演奏は、テクニックや高い表現力で聴く者を魅了します。
しかし、アマチュア主体のカバーバンドには、オリジナルとは異なる魅力があります。
カバーバンドを評価するとき、上手い下手だけで判断するのはフェアではありません。
この記事では、カバーバンドの素晴らしさと、その聴きどころを紹介します。
第1章: カバーバンドとコピーバンドは何が違う
・カバーバンドとコピーバンドの違い
この2つに厳密な違いや定義があるかどうか・・・正直、良く分かりません。
そこで筆者なりの見解を述べてみます。違いは、大きく2つ。
【アレンジの有無】
コピーバンドとカバーバンドは、アレンジの有無が最も大きな違いです。
コピーバンドは、原曲を忠実に再現することを目的とし、アレンジは基本しません。
カバーバンドは、独自解釈による楽曲表現を目的としており、アレンジを加えます。
【演奏力・再現性】
アレンジの有無によって、演奏難易度やメリット・デメリットも異なります。
コピーバンドは、原曲を忠実に再現演奏するため、比較的高い演奏技術が必要です。
しかし、原曲の魅力を聴衆にダイレクトに伝えることができます。
カバーバンドは、実力を加味してアレンジするため、コピーバンドよりは演奏技術の要求は低くなります。
しかし、聴衆の好みや反応によってはアレンジが受け入れられない場合もあります。
しかし・・・最初に述べた通り、コピーバンドとカバーバンドの境界線は明確ではありません。コピーバンドでも、原曲に忠実に演奏するために、わずかなアレンジを加えることもあります。また、カバーバンドでも、原曲の雰囲気を残しつつ、自分なりのオリジナル性を出すために、アレンジを加えることもあります。
このブログでは、上の違いを踏まえた上で、
カバーバンドとは、『メジャーな楽曲を演奏し、リスペクトを持ってオリジナルアーティストの曲を独自解釈して再現する音楽グループ』と定義します。
・カバーバンドの面白さ
カバーバンドの多くは、オリジナル楽曲をリスペクトしつつ、自分たちの力量や個性を踏まえ、独自の解釈(アレンジ)を加えて演奏することで、曲の新たな魅力を引き出そうとします。
しかし、それが聞き手に”面白い”と映るか”つまらない”と聴こえるか・・・はやってみないと分かりません。
しかし、少なくとも彼らは親しみやすく、観客とのコミュニケーションを大切にし、メジャー・バンドとは違ったアプローチで観客を楽しませようと努力します。
第2章: 上手い下手の先にあるもの
・テクニカルな腕前だけでは足りない
バンドの各メンバーが相応の実力を持っていることは当然重要ですが、それ以上に感情を伝える力が求められます。
オリジナルアーティストの楽曲は彼ら自身の感情を込めて制作されていますが、カバーバンドはそれを自分たちのスタイルで表現しなければなりません。
そのため、オリジナルに負けないくらい感情を込めて演奏する能力が必要です。
・カバーバンドの個性
カバーバンドが魅力的であるためには、オリジナリティを持つことが大切です。
そのためには楽曲のアレンジやカスタマイズを通じて、独自のスタイルを打ち出すことが何より重要で、他のバンドとの差別化にもなります。
これにより、同じ曲を演奏してもバンドごとの個性や新たな魅力を発見できるのです。
第3章: 聴きどころと楽しみ方
・カバーバンドの魅力
カバーバンドを楽しむための2つのポイントを紹介します。
・バンド独自の曲解釈に耳を傾ける
カバーバンドの面白さのひとつは、先述の通り、多くの場合オリジナル曲とは違ったアレンジで演奏されることです。
そのため、オリジナルとは違った印象や響きなど新鮮な魅力を感じることができます。
メンバーそれぞれの個性を生かしたアレンジも、カバーバンドならではの楽しみです。
・ライブならではの臨場感を楽しむ
カバーバンドはアマチュアがほとんどなので、自主制作のCDなどを作成している場合を除けば、基本的に観客と触れ合う場はライブが中心になります。
したがって”ライブで映える・受けるパフォーマンス”を念頭に置いて曲をアレンジすることが多いです。
その結果、良いバンド(上手いバンドではない!)の演奏を聴くと、観客との一体感や、メンバー同士の息の合った演奏など、ライブならではの醍醐味を堪能できます。
また、ライブでしか聴けない趣向を凝らした演出もアマチュアならではの魅力です。
結論
カバーバンドの真価は、上手い下手だけでは測れません。
彼らはオリジナルアーティストの楽曲を通じて、独自の魅力と個性を発揮します。
カバーバンドの音楽を楽しむ際には、感情を伝える力やオリジナリティ、ライブの臨場感に注目し、その魅力を最大限に堪能しましょう。
おわりに
カバーバンドの聴きどころは、楽器の演奏技術、歌唱力、バンドの一体感です。
カバーバンドの多くは、プロのバンドとは比べ物にならないほど、楽器の演奏技術や歌唱力が高いわけではないかもしれません。
しかし、彼らは、練習を重ねて、自分の持ち味を最大限に活かした演奏をします。
その努力や熱意が、観客の心に響くのです。