
- 田舎暮らしのエキスパート?
- ① 私は「田舎暮らし」を選んだわけじゃない
- ② 若い頃の「便利」と、歳を取ってからの「便利」は違う
- ③ 「田舎は人情があって温かい」……これはどうなのか
- ④ 今、一番心配しているのが「車をやめた後」
- ⑤ 「じゃあ都会へ引っ越せば?」……いや、それも簡単じゃない
- ⑥ そこで、今から少しずつ変えようと思っている
- ⑦ 結局、住む場所より「10年後」を考える
- 最後に
田舎暮らしのエキスパート?
「定年後は、のんびり田舎で暮らすのもいいな」
そう考える人も多いみたいですね。
たしかに都会住まいの友人には、「いいところに住んでるな!」
って、よく言われます。
でも、「じゃあ、ここに引っ越してくる?」
と聞くと、誰一人来ません(笑)。
たまに来るならいい。でも、ここで暮らして歳を取るとなると、話は別です。
生まれてから68年。
大自然でも都会でもない、「中途半端な田舎」に住み続けてきた私が、今になって感じていることがあります。
今日は、その話です。
① 私は「田舎暮らし」を選んだわけじゃない
まず、私は田舎暮らしに憧れて、ここへ移住してきたわけではありません。
生まれた場所が、たまたまここだっただけです。
大学も家から通えました。
38年間勤めた会社も転勤はありましたが、なぜか家から通える範囲に収まった。
結局、68年間ずっとここです。
だから、田舎暮らし68年のエキスパートと言ってもいいかもしれません(笑)。
ただ、いわゆる「大自然の中でのんびり暮らす田舎」とは、ちょっと違います。
適度に自然はある。
人も都会ほど多くない。
騒音も少ない。コンビニも、スーパーも、病院も、車で行けば一応あります。
でも、徒歩圏内で何でも揃う都会でもない。
かといって、大自然を満喫できる本格的な田舎でもない。
都会と本格的な田舎の、ちょうど中間。
私が「中途半端な田舎」と呼んでいる場所です。
そして、若い頃は、この中途半端さを特に不便だとは感じませんでした。
車に乗れましたから。
② 若い頃の「便利」と、歳を取ってからの「便利」は違う
若い頃は、「ちょっと不便だな」と思っても、
「車で行けばいい」で終わりました。
買い物も、病院も、遊びに行くのも車。
それで何とかなっていたんです。
ところが、歳を取ってくると、同じ場所でも少しずつ見え方が変わってきます。
昔からあった店が閉まる。若い人が減る。高齢者が増える。
公共交通機関も、便利になるどころか減便されていく。
しかも、これが一気に起きるわけじゃない。
少しずつ、気づかないうちにです。
「今は困っていないから大丈夫」と思っているうちに、
選択肢が一つずつ減っていく。
私自身、国保や介護保険料は年々見事な右肩上がりです(笑)。
払うお金は増える。でも、街が便利になるわけではない。
人が減る。店が減る。交通も弱くなる。
そんな変化を、68年間ここで見てきました。
③ 「田舎は人情があって温かい」……これはどうなのか
もう一つ、田舎暮らしには、「人情があって温かい」
というイメージがあります。
テレビでも、そんな田舎の風景をよく見ます。
もちろん、これは嘘ではありません。近所で声を掛け合うこともあります。
都会より、人との距離が近いところもあります。
でも、私は最近ちょっと思うんです。
「これって、自分は本当に欲しいのかな?」と。
近所だから顔を合わせる。町内の付き合いがある。
何かあれば声を掛けられる。それが楽しい人もいるでしょう。
でも、あればあったで、気を遣うこともあります。
私は、人付き合いが嫌いなわけではありません。
気の合う人と話すのは好きです。
ただ、「付き合わなければならない人間関係」
まで、老後に増やしたいかと言われると、ちょっと考えます。
田舎がいい、都会が悪いという話ではありません。
歳を取ってから、「自分は、どんな人間関係の中で暮らしたいのか」
ここも意外と大事なんだと思います。
④ 今、一番心配しているのが「車をやめた後」
そして今、私が一番心配しているのが、
「車をやめた後、どうするか」です。
私たち夫婦にとって、車は単なる移動手段ではありません。
生活そのものです。
買い物も病院も、ちょっとした用事も、ほとんど車。
今はまだ運転できます。だから、今すぐ困っているわけではありません。
でも、68歳になった今、
「この運転、一体いつまで続けられるんだろう?」と、やっぱり考えます。
車を手放したら、今の生活はかなり変わるでしょう。
バスや電車だけでは難しい。毎回タクシーというわけにもいかない。
家族に頼るにも限界があります。
だから最近は、「車をやめた後の生活を、今のうちから考えておかないとな」
と思っています。
ここに住み続けるなら、これは避けて通れない問題です。
⑤ 「じゃあ都会へ引っ越せば?」……いや、それも簡単じゃない
じゃあ、「だったら便利な都会へ引っ越せばいいじゃないか」
となりますよね。
確かに、それができれば一つの方法です。
でも、私の場合は、そんな簡単な話ではありません。
ここにはローンを完済した持ち家があります。
老朽化しているし、無駄に部屋数も多い。
使い勝手は決して良くありません(笑)。
それでも、家賃やローンがない。
これは、年金暮らしの夫婦にとって大きいんです。
今さら都会で家を買い直す資金はない。
賃貸に移れば、毎月家賃がかかる。
仮に月10万円なら年間120万円。10年なら1200万円です。
もちろん家賃は場所によって違いますが、
私の場合、都会への引っ越しは現実的な選択肢ではありません。
だから、「ここを出ればいい」という簡単な話でもないんです。
結局、私はこの家に住み続ける可能性が高い。
だったら、ここで歳を取っていくための暮らし方を考えるしかない。
そうなります。
⑥ そこで、今から少しずつ変えようと思っている
だから最近、私は、「いつか車に乗れなくなる」
ということを前提に、少しずつ生活を変えておこうと思っています。
例えば、
車を使わない日を作る。毎日の買い物をやめて、
週1~2回のまとめ買いに慣れる。
そして、もう一つ。
ネットリテラシーを高めておく。
これは、田舎暮らしでは結構重要だと思います。
買い物だけじゃありません。
情報を調べたり、いろんなサービスを使ったり、人とつながったり。
SNSも含めて、ネット難民にならないように、
使えるものはできるだけ使えるようにしておく。
そして、
使っていない部屋や物を減らして、家の管理もラクにしておく。
車をやめたときに、
「何ができなくなるのか」「何なら別の方法でできるのか」
これも今のうちに考えておく。
⑦ 結局、住む場所より「10年後」を考える
こうして考えてみると、私が田舎暮らしをもろ手を挙げて薦めない理由は、
田舎が悪いからではありません。
私自身、68年間ここで暮らしてきて、良いところもたくさん知っています。
ただ、若い頃に暮らしやすかった場所が、
歳を取ってからも暮らしやすいとは限らない。
これは実感しています。
だから、もし定年後に田舎暮らしを考えているなら、
「今、いい場所か?」だけじゃなく、
「10年後の自分でも、ここで暮らせるか?」と考えてみる。
車は?病院は?買い物は?
交通は?人付き合いは?住居費は?
そして、自分はその場所で、どんな暮らしをしたいのか。
私なら、今ならそこまで考えてから決めます。
最後に
私はこれからも、たぶんこの「中途半端な田舎」で暮らしていきます。
大好きだから……というより、
今さら引っ越すより、ここで暮らし方を変えるほうが現実的だからです(笑)。
田舎か都会か。その二択ではなく、
「10年後の自分が、そこで暮らせるか」
私は、今はそこを考えています。