歳
はじめに
定年後って——誰かに褒められること、減りますよね。
若い頃みたいに「すごいね」とか「頑張ってるね」とか
そういう言葉とは、ちょっと縁が遠くなる。
でも…
だからこそ、60歳を超えた今だからこそ
心に残る一言があります。
①「いい感じで歳を重ねたね」
50年ぶりの同窓会に出席した時の事。
幹事の女性から・・・
「○○君、いい感じで歳をとったね!」
そう言われたんです。
正直、これを初めて言われたとき、嬉しさよりもちょっと驚いて
どう受け取っていいか分かりませんでした。
若く見える、でもなく
元気そう、でもなく・・・いい感じで歳をとったって。
でも帰り道でじわっときたんです。
ああ…これでいいんだな、って。
無理に若く見せなくてもいいし
背伸びしなくてもいい。
ここまで生きてきた時間を
そのまま受け取ってもらえたような気がして。
若い頃には、
もらえなかった言葉でした。
②「以前より生き生きして若々しいよ」
もう10年以上——
自分のライブ演奏をFacebookやYouTubeに上げてるんです。
誰かに見せるというより
自分のための“動くアルバム”みたいなもので。
正直、
そんなに反応なんて期待してなかったんですが…
ある日、コメントが届いたんです。
昔の飲み仲間とか仕事で関わってた人たちから。
「いきいきしてるね」
「前より若返ってるやん」
ちょっと驚きました。
自分では、そんなつもりなかったので。
でも——そう見えているなら、悪くないなって。
頑張ってるからじゃなくて、好きなことをやってるだけで
人は、少し若く見えるのかもしれません。
③「おしゃれだね」
「○○さん、おしゃれですよね」って言われたことがあって。
共にバンド仲間の女性なんですが——一人は50代、もう一人は18歳。
さすがに…お世辞も入ってるとは思うんですが。。。(笑)
でも、年齢の違う二人から同じようなことを言われると
「ああ…俺ってそんなにダサくはみえてないのかな・・・」って
素直に嬉しくて、ちょっとだけ自信になります。
特に18歳。
いわゆる“お孫ちゃん世代”ですよね。
その世代からひとまず及第点をもらえたのは——
正直、うれしかったですね。
無理に若づくりしなくても
ちゃんと通じるものは通じるんだな、って思いました。
④「ちゃんと話を聞いてくれる」
これは、仕事で知り合った長い付き合いの友人に言われた一言です。
いわば、かけがえのない自分をさらけだせる同志・連れ合いみたいな関係で。
昔はよく怒られてました。
会話に熱が入ると、私が相手の話の途中で口を挟んでしまって
「人の話を取らないで、最後まで聞く!」って。
自分では聞いてるつもりでも、いつの間にか自分の話にすり替えてた。。。
ちゃんと“相手の気持ちに寄り添ってなかった”んですよね。
でも最近、その友人に言われました。
「なんか最近、ちゃんと話聞いてくれるようになったな」って。
別に、話し上手・会話上手になったわけじゃありません。
むしろ逆で——
少しだけ、聞く側に回れるようになった。
人の話をちゃんと聞くってこんなに楽しかったんだなと思います。
今は、会話の面白さは「話すより、聴くこと」かも知れないと思うようになりました。
若い頃の自分には、できなかったことです。
⑤「楽しそうだね」
「楽しそうですね」
これ、近所の人に言われました。
ギターケースと大きな機材の入ったバッグを
抱えて車で出かけるのを見てたみたいで…
ある日、すれ違いざまに
ぽろっと。
でも実は、その日は
そんな気分じゃなかったんです。
バンドの人間関係にも、ちょっと疲れてて
出かけるのも気が乗らなくて。
でも——
外から見ると、そう見えるんだなと。
楽しそうに見えるって
その人が本当に人生を楽しんでるってことなのか、どうか・・・
・・・正直、自分ではよくわかりません。
不満や不平なんて、幾つになってもいくらでもあるし。
人生を達観する・・・とてもとても自分には程遠いですわ(笑)
それでも、もし「楽しそうだね」・・・そう見えたなら——
案外、自分の生き方も
肩ひじ張らずにいい感じでやれてるのかもしれないな、と。
そんなふうに思えたんです。
最後に
若い頃は、自分が認められて
評価される言葉がうれしかった。
でも今は——
こういう何気ない一言の方が、ずっと沁みます。
年を重ねるって
悪いことばかりじゃないですね。
むしろ、これからかもしれません。